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2019年06月09日

増税と住宅ローン減税

消費税10%に向けて世の中では多くのことが話題になっていますよね。なかでもやはり多く言われているのが、税率引き上げによる景気の落ち込みを防ぐための諸々の策についてなようです。
コンビニで買った食料をイートインで食べた場合と家に持ち帰った場合では税率が違うといったようなことや、キャッシュレスで物を購入した場合と現金で購入した場合の違いなど、私たちの生活に直結してくる部分も多く、また買う側売る側の言い分も入り混じっています。
では、私たちの扱っている住宅ではどうでしょうか?
1000万円台~お金をかける方ですと5000万円以上することもある住宅では、消費税が2%アップすると20万~100万円も変わってきます。ただでさえ高額なお買い物である住宅。さらに何十万円も金額がアップするとなると、やはり買い控えてしまう方も出てきてしまうのではないでしょうか。この買い控えを懸念し、住宅についてはローンの残高に応じて所得税が減税される「住宅ローン減税」が拡充されると言われています。現在は、一年間で最大50万円が10年間、所得税や住民税から控除される仕組みの「住宅ローン減税」ですが、消費税率の引き上げ以降に戸建て住宅やマンションを購入した人は、減税を受けられる期間が、さらに三年間延長されるというものです。ちなみに、住宅ローン減税とは、10年以上のローンを組んで住宅を新築したり増改築したりした人に対し、所得税や住民税の一部を減税する制度です。
現行の制度では、年末における住宅ローンの残高の1%にあたる金額が最大で年間50万円、10年間減税されます。これが今回の税制改正では、10%の消費税率で新築や増築をした人は、減税を受けられる期間を三年間延長されると言われています。延長された期間、つまり11年目から13年目までの期間に減税される額は、最大で建物の価格の2%分であり、実質的に、増税による負担の増加をなくそうという仕組みです。
細かくいえば、建物の価格の2%を三年間で割った金額と、年末における住宅ローンの残高の1%にあたる金額を比べ、少ない方が減税の額となります。
例えば、建物価格が2000万円の住宅の場合、11~13年目の減税額は最大2%。つまり2000万円×2%=40万円で、一年あたりだと約13万円よりも少なくなります。減税額は1000万円×1%=10万円となり、13万円よりも少なくなります。

例:建物価格2000万円・住宅ローン3000万円で組んだ場合

 <1>10年後のローン残高2000万円の場合
 →2000万円×2%×1年/3年=13万円<2000万円×1%=20万円→減税額:13万円

 <2>繰り上げ返済活用で、10年後のローン残高1000万円の場合
 →2000万円×2%×1年/3年=13万円>1000万円×1%=10万円→減税額:10万円

これだけ見ると、繰り上げをしない<1>のパターンの方が、今回の施策の恩恵を受けられているようにも見えます。しかし、繰り上げ返済を行った分の金額は、元本から差し引かれるため<2>の場合では総返済額が<1>の場合よりも300~400万円安くなることもあります。

住宅ローンの組み方や返済方法が最も適しているのかをお客様のライフプランやご家族の成長なども考慮しながら私たちは考えていきたいと思います。

北村建築工業
代表取締役 北村辰也

北村辰也